一美先生が以前拳友会誌に連載していたエッセイです。掲載年が不明ですが、今読み返すと分かることがたくさんあります。一美先生の言葉を一つ一つ辿りながら、練習の参考にしましょう。
全14回分。1回ごとの読み切りです。
2016年5月5日開催の「日本太極拳友会第2回友好団体親善演武大会」のプログラムから、一美先生の挨拶分の一部を抜粋します。
太極拳を学ぶ目的が、シンプルに記述されています。(2018,3,13)
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・・・・・・前半略・・・・・・
太極拳の目的は何でしょう? それは「気を養うこと」と教わりました。意識で気を導き、気が身体を運ぶ意気運動です。
「上は天の気を借り、下は地の気を借りる」と言います。宇宙根源の天の気を丹田に収め、下肢へ深く根を下ろして行き、そして、大地の気を足裏から吸い上げ、腿から腰へ、腰から全身へと送り込んで行きます。天の気と地の気は体内を流通循環しています。太極拳はその大いなる気を借りて、自らの気を養っているのです。それは不老長寿への道です。
練習の時、常に心がけるのは「軽く、赤ちゃんのように柔らかく、そして気持ちよく」この3点セットです。
身体の強ばっているところには気が滞ります。それを見る人の気も上がり苦しくなります。
気の流れがスムーズだと見る人の心も落ち着き、気も順になります。太極拳は自分のみならず回りの人の健康にも影響を与えます。
・・・・・・後半略・・・・・・
資料を整理していたら、だいぶ以前に、一美先生から渡された練習ポイントを書いたメモが出てきました。
読み直すと、基本はいつも変わらない!ということが分かります。
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・技の正確さを要求する。
・外形が内勁を引き出す。
・まず外形を重んじる。
・内外の開合、腰を中心とする上下の協調性が一番重要であり、
“揺れ”と見えるのは重心の移動のみであり、無駄な動きは一切ない。
・内勁は”出る“、”戻る“だけで、回ることはない。
・手は自然に開き、親指が一番大切で、中指は必ず立てる。
・上体はいつも“空”にし、下肢だけで支え、基本的な立ち方をしっかり
身につける。
・発勁は常にゆるんだ状態で瞬間的に爆発する。
・推手は、絶対に抵抗があってはならない。触れるだけである。
・套路は最初の動きが一番重要で、そこが身につけば後はすべて出来る。
・足は第1指、第2指で支え、常に膝はゆるんでいること。
以上。鈴木いづみ記